父の日

父の日に、父のことを書いてみたくなった。

私の父は、大正8年生まれのひつじ年。94歳。

利尻島で生まれて5歳まで過ごし、札幌に出てきた。

ここ7年間ほど、晩夏の頃に私の姉と父母とで利尻へ旅行している。

どこへ観光に行くということではなく、ただただ、

利尻の海と空と風の中に身を置いて過ごす2泊3日の旅。

それを毎年、毎年、楽しみにしている父。

いつまでこうして父を利尻へ連れて行けるのだろうとふっと思うときがある。

できることなら、今年の旅行も行かせてあげてください、と祈る。

 

私の幼い頃は、いつも父のあぐらの中にいた。

自転車の乗り方を教えてくれた。

バドミントンのラケットを買ってきてくれた。

私の高校合格の日に、ケーキを買って「おめでとう!」と帰ってきた。

どれほどの愛の中で育てられたことだろうと思う。

 

今は、随分と年老いてしまったが、頭は聡明。

いつもいつも、私に「ありがとうよ!」と言う父。

ありがとうと言いたいのは私の方だ。

しっかりとした家庭で、きちんと育ててくれて、

ほんとうにありがとう、父さん。

どうか長生きしてね。